テーマ 若者は、まちに何を求めるのか?

静岡で活躍する人材を育て、輩出し続けているゲストとともに、若者の本音を探りながら、これからの静岡をみつける。

GUEST
江藤秀一氏
常葉大学・常葉大学短期大学部 学長
福岡県出身。明治学院大学大学院修士課程修了後、常葉中学・高等学校の教諭、その後、常葉学園短期大学、武蔵野美術大学、筑波大学を経て、 2016年、常葉大学特任教授、2017年から常葉大学学長、2021年から常葉大学短期大学部学長を兼任。専門は18世紀のイギリス文学・文化。博士(文学)。筑波大学名誉教授。74歳。

Moderator

片川乃里子氏
フリーアナウンサー

BRIDGE SHIZUOKA最終回、総仕上げのテーマは「若者」です。なかなか止まらない人口流出。その中で静岡を選んだ若者は何を感じているのか、どうすれば静岡にとどまる若者を増やせるのか、思いを共有する2時間。20代の若者代表から70代の大人世代まで20名の参加者にお集まりいただき、前半はYouTubeのライブ配信も行いました。

ゲストの江藤秀一さんは50年にわたって教職の立場から静岡の若者を見つめ、未来の人づくりを追求してきたレジェンド世代。そしてモデレーターの片川さんは県外で暮らす20代の娘さんの母としても若者の思いを肌で感じています。

江藤さんが学長を務める常葉大学は、高い就職率を維持し、小学校教員や保育士など地域で活躍する人材を数多く輩出してきました。その一方で、静岡県全体では大学進学する高校生の7割が県外に流出している(2023年調べ)という現状があります。「本学で学んで、県内にとどまって活躍する若者を増やしたい」と江藤さん。そこで常葉大学では「MIRAI TOKOHA」を掲げ、大学と学生が力を合わせて魅力ある大学づくりを行うなど、未来志向の変革に取り組んでいます。

参加者は、自身が静岡にとどまった理由、県外に出たけれど戻ってきた理由などを思い思いに発言しました。「生まれ育った静岡で自分の強みを生かしたくて常葉大に入った」という声もあれば、「高校まで静岡が嫌いで上京したけれど、東京の生活では消耗する。静岡は自分らしくいられるところ」と、県外での経験が静岡の魅力を知るきっかけになった人も。

そんな静岡の若者のために何ができるでしょうか。後半はグループに分かれてディスカッションを行いました。一度は出ていった若者が戻りたくなる場所になるには?どのグループも休憩時間も惜しんで熱中し、多くのアイディアが挙がりました。参加者の1人が「こういう場で、世代や職業を越えた横のつながりで話せるのが静岡の魅力」と話していたのも印象的でした。

最後に参加者は、今回考えたことや気付きを今後の自身の行動に落とし込めるよう、「静岡が若者に選ばれるまちになるためのアイディアや自分ができるアクション」をBRIDGEカードに書き入れました。

江藤さんは「大人が若い人を巻き込むことも大切です」と総括します。「大学は知識重視の時代から、社会の様々な答えのない課題をどう考え解決していくかという教育に変わってきています。それは学生に限ったことではなく、これからは世代性別を問わず皆さんで一緒に考えていくという時代だと思っています」。モデレータの片川さんも「一緒にやるって、子育てでも大事なこと。今日ここにいる皆さん自身が、周りの人と一緒に考えるきっかけになっていっていただけたらと思います」と、密度の濃い2時間を締めくくりました。この日できた横のつながりが、少しでも一緒に未来を開く力になることを願っています。


「一人からみんなに橋をかける」という思いから、このイベントをBRIDGE SHIZUOKAと名付け、10回にわたって開催してきました。静岡のことを自分ごととして考える皆さま一人一人の力が、明日の静岡につながっていくと信じています。静岡ガスはこれからも皆さまのお近くで地域を盛り上げる活動を続けてまいります。ご参加・ご視聴いただいた皆さま、ありがとうございました。

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