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陸上養殖のトライアル開始について
2024年6月28日
静岡ガス株式会社(代表取締役 社長執行役員 松本尚武)は、静岡ガス静岡支社(静岡市駿河区池田)において、小型・分散型閉鎖循環式の陸上養殖システム※1を用いた陸上養殖のトライアルを開始します。なお、本システムの導入は、静岡県において初の事例となります。
小型・分散型閉鎖循環式の陸上養殖設備「ARK-V1」
2024年9月に本システムを搭載した陸上養殖設備を設置し、飼育環境を整えます。11月からヤイトハタと海ブドウの養殖を開始し、2025年の夏ごろに出荷する予定です。地元のスーパーマーケットや飲食店への提供など、本トライアルを通して、地域におけるニーズや今後の事業拡大の可能性を探ります。
温暖な海域に生息し、高級魚として知られるヤイトハタは、飲食店において和・洋・中と幅広く利用されていますが、静岡県内ではほとんど流通していません。回遊せずに海底の岩などに生息する性質から、本システムのような狭い面積での養殖に適しています。
将来、世界的な人口増加などにより、タンパク質の需要が供給を上回る「タンパク質危機」が懸念されており、安全かつ安価にタンパク質を多く含む食品を摂取できる環境を整えることが急務です。陸上養殖は、海の生け簀などで水産物を育てる海面養殖と比べ、水温・酸素濃度・pH値などの飼育環境をコントロールしやすい特徴があります。また、本システムは水を濾過し、殺菌して循環させ再利用する閉鎖循環式です。寄生虫や病原菌のリスクが小さく、水資源の利用と環境負荷を抑えながら、安全・安定的に魚介類の生産を行うことが可能です。
静岡ガスグループは、次世代の食に関わる事業の展開を目指すとともに、今後も地域における食の課題解決に取り組んでまいります。
※1 | 株式会社ARKが提供する陸上養殖システム。複雑な施工・工事が不要で、10m2程度のスペースに設置可能。 |