
電気の使用によるCO2排出量を算定するには、一般的に原子力発電や水力発電を含む全電源平均係数に電気の使用量を乗じて計算します。
一方、省電力対策によるCO2削減量を算定する場合、対策により影響を受ける電源(マージナル電源)の係数を用いて計算します。この場合、マージナル電源がどの電源であるかを適切に判断する必要があります。


日本の電力は、主に原子力、水力、火力の各発電所から供給されます。原子力発電は、定期点検等を除けば、定常的に運転を行い、発電量に変動はありません。また、水力発電の場合、年間の発電量は降水量に左右されます。一方、火力発電は、電気の使用量に応じて、年間の発電量に影響を受けます。従って、日本のマージナル電源は、当面「火力発電」と想定できます。

出展:一般社団法人 日本ガス協会 CO2削減対策の評価に用いる電気のCO2排出係数について
電気の使用量を減らした場合のCO2排出量は、マージナル電源である火力電源係数(0.69kg-CO2/kWh)を用いて以下の式で計算します。
削減されるCO2排出量(kg-CO2)=火力発電のCO2排出係数(kg-CO2/kWh)×電気の削減量(kWh)
例えば、1年間に100kWhの節電をしたとすると、
69kgのCO2を削減したことになります。
「排出量の算定」と「対策効果の算定」では、係数の使い分けが必要です。
対策の効果を誤って全電源平均係数で評価すると、電気の使用量を減らしても影響のない原子力や水力の発電量が減ったことになり、CO2削減量が過小評価されることになります。
国際的な電気の削減の評価方法の考え方としては、2007年8月に「温室効果ガス排出量・削減量算定のための国際的なガイドライン(GHGプロトコル)」において、系統電力削減対策によるCO2削減量を算定では、原子力や再生可能エネルギーを除いたマージナル電源で計算することとなっています。